🎮おずみんの物置なのだ🎨

自己満足な二次創作小説を置いたり、ゲームの変なスクショを置いたり、お絵描きを置いたり。よく分からんまとめ的なものも上げたりしまする。豆腐←の方推奨。R6Sメイン。

(#'ω'#)ノシ やっほー♪

平行線で終わらせない

エコー×グラズ

吹っ飛んでいたデータの中の一つ。

復旧したのでここに置いとく。

pixivにはまだ上げていない。

気が向いたらになると思う。

(SATがレインボー部隊に入ったばかりの設定。)


最悪な日だ。朝から画材を切らすし、雨も土砂降りで、さらに演習の舞台が苦手な所。俺はスナイパーだから、基本的に射線の確保し辛い、狭く入り組んだ場所は苦手なんだ。

しかも、相手チームには誰がいるのか、ほとんど分かってない。何故か全ての偵察ドローンが壊されて、まるで向こうにIQがいるんじゃないかってくらいだ。

流石にそれはあり得ないけど、パルスやカヴェイラなんかがいたら、裏取りされて赤いインクをつけられてしまう。演習では赤いインクの入ったペイント弾を使い、それが当たって赤く色が付いたら"死亡"だ。

一応クレイモアをセットし(これもインクが入っている)、ゆっくり進もうとすると、ふと変なドローンを見つける。皆が使う普通のドローンではなく、トゥイッチのショックドローンでもなく。平べったい大きめのドローンだった。

不審に思い、壊そうかと狙いを定めるが、突然垂直に跳ぶではないか。そしてほぼ同時に、大きな音と共に頭に衝撃がかかる。頭が混乱してフラフラしていると、またもや突然、銃口が自分の後頭部に当たる。

「BANG.」

サプレッサーのついた銃特有の、豆が弾けたような音を立て、俺の頭をインクで赤く塗る。全て一瞬のことだった。

「駄目じゃないか、スナイパーが一人で動くなんて。それでもレインボー部隊か?」

聞き覚えのない、低くて通る声。

「誰だ…?」

「あ、クレイモアも置くの下手くそ。ルーキーの方がよっぽど丁寧に置くよ。」

どうやら裏取りをされていて、防止のためのクレイモアも壊されていたようだ。しかし、こちらの言葉は何故か無視されて、しかも散々に言ってくる。確かに反省すべき点を的確に述べているけれど、言い方が流石に頭に来るな。

「さっきから何なんだ…!」

振り返ると、やはり見覚えのない、若い黒髪の男が。手元のドローンからして、さっきのはこの人が操作していたようだ。

「おいおい、"死人に口無し"だろ?早くここから消えな。」

全く、本当に嫌な言い方をする奴だ。演習で"死亡"したオペレーターは、速やかに外に離脱しなければならない。それは分かっているけれど、つい反発して居残りそうになる。

結局、反論を諦めて、一人とぼとぼと離脱することになった。あの嫌な奴が誰か、分からず仕舞いのまま。


その日の夕食にて。

今回敵として戦った、カプカンと話をしていた。同じスペツナズ出身で、見た目の怖さに反して話しやすい人だ。

「そういえば、今日の演習であなたと同じチームに、黒髪でドローンを使うオペレーターがいなかったか?その人にインクを付けられたんだけれど、見覚えが無いんだ。」

「黒髪でドローン…?ああ、エコーのことか。」

エコー?とまた首を傾げる。新しく入った、日本の特殊部隊の人だったか。

「あいつ、新入りの割によく動いてたな。偵察ドローンも全部壊して、確かお前だけじゃなく、アッシュやブリッツも倒した、って言ってたぞ。」

なんだそれ。俺の入ったばかりの頃よりすごいじゃないか。俺より若そうなのに、物言いも行動もしっかりしてて、逆に先輩の俺はしゃんとしてなくて。

「あ、さっきのへなちょこスナイパー。」

そうそう、まさにそんな感じ…

「っ!?」

いつの間にか、隣の席にエコーが。

「ああ、エコーか。丁度お前の話をしていたところだ。」

"へなちょこスナイパー"に突っ込まないカプカン。さらに普通にエコーを会話に入れている。どうしてスルーを…

「そうだ、カプカン。後でこいつを借りていいか?ちょっと話があるんだ。」

「ああ、いいぞ。それにしても、お前から話をしたがるなんて珍しいな。」

あれ?今度は俺だけ会話に入れてない?

「ちょっと!二人だけで話を進めるなよ。俺、後で用事あるし!」

カプカンが、あの嫌味なエコーと仲良さそうに話していたのが嫌だった、というのもあり。思わず大きな声を出してしまった。直ぐにそれに気付いて、顔を真っ赤にしてしまったけれど。

「何の用事?」

でもエコーは、そんなことお構いなしに話しかけてくる。

「切らした画材を買って、近くの森の景色を描きたいんだ。」

「へぇ、絵を描くんだ。こんな土砂降りで?」

皮肉っぽく笑うのを見て、さらに顔を赤くする。なんだか今日は、本当に調子が悪い。エコーに完全に遊ばれてるような気もしてきた。

「ってことで、後で僕の部屋に来てくれな。」

「えっ、ちょっ、まっ!」

俺の焦りっぷりを見て、ニヤニヤ笑いながらエコーはいなくなった。

「はあ、なんなんだよあいつ。って…」

カプカンの方に視点を戻すと、肩を小刻みに震わせているのを発見。

皆してなんなんだよ!


「お邪魔します…って、あれ?」

部屋の中に入っていくと、そこには大きな地図が。今日の演習で使われた場所のマップ、しかも作戦会議用のものだった。

「遅いぞ。」

椅子に座って、足をブラブラさせているエコー。一見大人びた雰囲気を持っていると思ってたけど、案外子供っぽいところもあるんだな。

「これ、今日の演習のマップだよね?なんでここに…それに、話したい用件って何?」

「話したい事がこれだ。」

トントンと地図を叩きながら、そう一言。

「お前があまりにもへなちょこ野郎だから、僕が直々にアドバイスしてやる、ってことだよ。」

上から目線なのは置いておき、優しくて良い奴じゃないか。それも、初歩的なミスばっかの、頼りない先輩に対して、堂々とアドバイスをくれるなんて。

「本当に!?ありがとう!それと、演習で少し邪険に扱って、すまなかったよ。」

微笑みかけながらそう言うと、彼は何故か顔を赤くした。

なんか、怒らすこと言ったっけ?

「う、うるさいっ!僕が気まぐれでやってあげてるだけだからな!勘違いするなよ!」

まあ、いっか。赤い反面、満更でもなさそうな顔をしているし。

そうして、エコーによるアドバイス会が始まった。

アッシュやテルミット達のように、射線の確保を主に行う『ブリーチャー』と、どのように組めば効果的か。また、その『ブリーチャー』が居ない場合に、射線としてとりやすい場所。偵察ドローンの効果的な使い方も教えてもらえた。

エコーは後輩で、俺が先輩なのに、俺の方が知らないことが沢山あって。ちょっと上からで、単刀直入にズバズバ言ってくるけど、そんなところにも少し憧れてしまい。お礼を言うと、何故か顔を赤くするのも可愛いんだ。何より、こうやって話している時間がなんだか楽しく感じて。

アドバイス会の回数を重ねているうちに、俺はいつの間にか彼に惚れていた。報われない恋と知りながら。

その想いをぶつけるところが欲しく、演習に無心に取り組んで、ただ戦績を残し続け、下絵を描いては破り捨てる日々になった。下絵は、どうしても俺と彼の二人を描いてしまい、そうなるのが嬉しいやら、怖いやら、複雑な気持ちになってしまうんだ。

でも、アドバイス会は行い続けた。矛盾したこの気持ち、心地良いのかもしれないし、ただ混乱しているだけかもしれないのに。

とにかく、彼に心が虜になっていたんだ。


ある日の夕食時。

俺がたまたま一人で夕食を食べている時、エコーは別のテーブルで、仲の良い機械オタクのミュートとイェーガー、フューズと話していた。楽しんでいる様子からして、なんだか今日の盛り上がりはすごいな。

自分はあまり機械に詳しくないから、あの輪の中には入れない。でも、楽しそうにしてるエコーが可愛くて、ついぼーっと見つめてしまうんだ。俺の前だと笑顔が控えめな気がする、というのもあるけれど。

「またエコーのこと見てるのか?穴空くほど見てたって、行動しなくては何も変わらないぞ?」

あとから来たカプカンが、声をかけて来た。唯一カプカンには、エコーについての相談をしていたんだ。(タチャンカは、お酒が回ると何でもかんでも話しちゃうし、フューズはちょっと鈍感だからね。)

「こうやって眺めてるのが幸せなんだ。だから、このままで良い。」

「そうか。」

本当はもっと一緒に居たい。けど、男同士なんて、本人に気持ち悪がられるだけだ。そうやって、気持ちを閉じ込めるしか出来ない俺を、カプカンは分かってくれている。だから、それきり何も言われなかった。

「そう言えばエコー。お前、彼女とかいねぇの?」

ふと、イェーガーの一言が聞こえてきた。思わず耳を澄ましてしまう。

「いや、居ない。」

「 好きな人とかは?」

エコーが一瞬、固まったように見えた。その間に期待してしまうのは、俺の悪いところかな?

だけど、そんな幻想も、彼の一言で崩れ去る。

「別に。機械にしか興味ない。」

現実は、とても無慈悲だ。

そこに、さらにフューズとミュートによる追い打ち。

「話は変わるんだが、最近うちのグラズと仲良いよな?よく話しているじゃないか。」

「ああ、確かに。俺も少し気になってたな。エコーは、普段からあまり他人に関心を持たないからな。」

耳を塞いでしまいたいけど、答えへの好奇心がそれをさせてくれない。もう、答えは分かっているのに…

「そうか?あいつがちょっとしつこいだけだよ。」

頭の中で、ぷちんと何かが弾けた。

気付いたら、食べかけの夕食を跳ね上げさせる勢いでテーブルを叩いて、そのまま足早に食堂を去っていた。

その時、カプカンの制止の中、遠くでエコーの声も聞いたような気がした。でも、振り返ることはできなかったんだ。


基地の何処にも居場所が無いように感じて、外に着の身着のまま飛び出した。天気はあの日と同じ土砂降りで、それに真冬なのもあいまって、傘とコートがないと凍えてしまいそうだ。

ひとまず、嫌いだった演習場所の建物に入って、雨宿り。エコーのアドバイスのお陰で、得意な場所になってきたんだけどね。そんなところに飛び込むなんて、皮肉だな。

床に座り込んで、とにかく一旦昂ぶる気持ちを抑えようと、しっかり深呼吸。なんて思ったけど、次の瞬間には、目から大粒の涙が零れてきてしまった。自分の意思ではなく、止められない。

決して叶うはずの無い恋とは分かっていたけど。ずっと心の内にしまっておくと決めたけど。

『機械にしか興味ない。』

『ちょっとしつこいだけだよ。』

その言葉が、頭で反響して、収まらない。

いっそ、このまま凍え死んでしまおうか、なんて不穏な考えもよぎる。これ以上苦しまないよう、パッと死ねれば良いのに。月明かりに伸びる、自分の影にそう訴える。ぼんやりと床に映るそれは、さながら死神のようだったから。

そうやって影を眺めて、寒さに体を震わせていると、影の長さが長くなったことに気付く。それと、後ろから声がかかるのは同時だった。

「グラズ。こんなところで座り込んでたら、風邪引くぞ。」

「…エコー。」

顔は上げられなかった。みっともなく泣いてる姿を、見られたくなかったから。

「なんで来たの。俺のこと、しつこい奴だ、って思ってるんでしょ?」

つい、突き放すような口調になってしまう。それだけショックなんだ、ほっといてくれよ。

「あれは、あいつらがしつこくて、とっさに言ったんだ。まさか聞いてたなんて、思ってもなかった。」

「聞いてないと思ったから、正直な気持ちが出ちゃったんじゃないの?!」

今度はエコーに面と向かって、言い放つ。言い訳は聞きたくない、その場逃れのクセに。そんな嫌な見方で、反論してしまう。でも。

「そんな訳ないだろ!?しつこいなんて思ったこと、一度もない!」

彼の気迫に、こちらが気圧されてしまう。

「むしろ僕の方が、めんどくさがられてると思ってたよ。ことある毎に、アドバイスだなんだって言って、一緒に過ごして。」

そして、静かに一言。

「気持ち悪いかもしれないけど、お前のこと、好きなんだ。最初に演習で一緒になった時、一目惚れでさ。でも、全然素直になれなくて、ずっと伝えられなかった。今まで、機械の相手しかしてこなかったし。」

一瞬にして、世界が明るくなったように感じた。寒気も、どこかに吹き飛んだ。

「俺も、俺も君のことが好きだ。少し不器用だけど、とても優しい気持ちを持った、君が。アドバイスのお陰で、どれだけ救われたか。」

立ち上がって、ずっと伝えたかったことを、全て言い尽くす。そして次の瞬間には、彼の腕の中だった。

「ありがとう。それに、ごめん、嫌なこと言って。」

「ううん、もう平気。こちらこそ、突き放すようにして、ごめん。」

平行な線は、どこまでいっても決して交わらない。今までの状態が、まさにそれだった。二人とも、素直に気持ちを伝えられなくて。

けれど、今は違う。もう平行線ではないんだ。それ以上に嬉しいことなんて、この先無いだろう。

思わず、微笑みを零した。


「俺、まだまだ全然駄目なスナイパーだけど、本当に良いの?」

「いや、そんな事ないさ。僕だって勤務態度悪いし。それに、こんなおっさんで良いのか?」

「おっさん…?君、俺より年下だろう?俺は今年で三十だから、年下の君がおじさんな訳、ないじゃないか。」

「僕は三十七だぞ?一回り近く違うじゃないか。だから十分おっさんだ。」


間。


「…ええええええっ!?」

こんな衝撃の事実も、あるんだね。